チャット恋愛注意報!!2 ~メガネ男子とハプニングkiss !?~ (旧)
……私は、YUKIのそばに居たい。
でもこれ以上近くには行けない。
……だけど、YUKIが優しいから期待してしまって、もっと近くに行けるんじゃ? と思って行ったら結局ダメで、一人で勝手にヘコんでしまう。
……そうなるのがわかっているのに、私は馬鹿だから期待に期待を重ねてしまう。
今だってそう。
YUKIの優しさに期待してしまってる。
叶うはずがないのに、それでも……──、
「……ありがとね、YUKI」
「うん」
──……優しく笑うYUKIを見ると、YUKIが私を想ってくれてるんじゃないかと期待してしまう。
だからこそ抱き締めて、守ってくれた。
私を『特別だ』と思ってくれているから……。
……そんな風に期待しちゃってるんだ。
「……あり得ないって、わかってるのに……」
「ん?」
「……ううん、なんでもない」
YUKIにニコッと笑いかけ、私も外の景色へと視線を移した。
車内の点検が済んだあと、電車は4分遅れで駅に到着。
電車を降りた私とYUKIの会話はほとんど何もなく、私たちはただただ並んで歩くだけだった。