チャット恋愛注意報!!2 ~メガネ男子とハプニングkiss !?~ (旧)
……あの。
そんな話、今 初めて聞いたんですけど……?
「この辺りが少し腫れたんだよ」
唖然とする私をよそに、男の人は右腕を示してみせる。
制服の上からだから、その部分が実際に見えるわけではない。
だから本当かどうかはわからないけれど……でも、もしも本当に怪我をしていたら……。
……本当に腫れているとしたら、それは確実に、私のせいだよね。
「さっき電車の中で同じ学校だって気付いて、それで声をかけたんだよ」
「あー……なるほど……」
「まぁ、治療費出せとかそういうのは言わないけど、一応話はしておかなきゃと思ってね」
その言葉をイトちゃんは信じたようで、『怪我は大丈夫ですか?』と心配そうに見つめている。
それに対し、『大丈夫だよ』と微笑む男の人。
「じゃあ俺、もう行ってもいい?」
「あ、はいっ!! 呼び止めてすみませんでしたっ!!」
ペコリと頭を下げるイトちゃんに、彼は爽やかな笑みを見せて去っていった。