チャット恋愛注意報!!2 ~メガネ男子とハプニングkiss !?~ (旧)
……どうしよう。
私、このまま何もしなくていいの……?
もしも本当に彼が怪我をしていたら……。
私はその話を聞いたのに、このまま何もしないの……?
私のせいで怪我をしたのに、このまま放っておくの……?
「……あの、ちょっと待って!!」
歩き出した彼の手を掴み、その歩みを止める。
「あ、あの……」
「ん?」
「……私、2年3組の朝比奈 咲良です。 えっと、その……怪我のこと……もし何かあったら、その……」
モゴモゴと、自分でもかなり聞き取りにくい声で彼に言う。
『このままじゃダメだ』と思って手を掴んだはいいけれど、そのあとのことは全然何も考えていなくて、どう言えばいいかもよくわからない……。
「……えっと、ですね……うー……その……あの……」
「責任」
「……え?」
「何かあったら連絡するよ。 キミが責任を取ってくれる約束だからね」
「あ、はい……」
……って。 私、責任を取る約束なんてしたっけ?
あれ? した? してない?
え、どっちだっけ……?
「あ、あのぉ……」
「俺は3年1組の雪村 秀一」
「あ……」
「何かあったら連絡して」
ニコッと笑った彼──雪村 秀一さんは、優しくそう言ったあとに今度こそ本当に去っていった。