チャット恋愛注意報!!2 ~メガネ男子とハプニングkiss !?~ (旧)
「……ごめんなさい、嘘つきでもいいです……」
ちっちゃな声でそう言って、地面を見つめる。
そんな私を見てるだろう彼は、クスクスと笑っているようだった。
「咲良は、面白い子だね」
「……別に私は面白くなんか……って、え?」
あれ?
今この人、私のこと……。
「あ、あの……今 私のこと……」
「そろそろ電車が来るよ。 これに乗るんだろ? ね、咲良?」
「……っ……」
やっぱりこの人、私のことを名前で呼んだっ!!
しかも、いきなり呼び捨て!!
「……ちょっと!! なんで勝手に、呼び捨てにしてるんですかっ……!!」
「いいじゃないか、減るもんじゃないし」
「そ、それはそうですけどっ……」
「ほら、電車が来るよ」
……ホームにアナウンスが流れて、そのすぐあとに電車が到着する。
数名が乗り込んだあと、私と雪村さんは最後に電車に乗った。
くそぅ……電車の中じゃ、大きい声は出せないじゃん……。
雪村さんはそれをわかっているからか、クスッと笑って私を見る。
……この野郎、絶対わざとだ。
わざと私のことを呼び捨てにして、私を怒らせるつもりだったんだ。
そして、電車の中で怒りに震えるだけの私を見て楽しんでるんだ。
……性悪めっ。