チャット恋愛注意報!!2 ~メガネ男子とハプニングkiss !?~ (旧)


開いたふすまの向こうの明かりがついているのか、布団の中からも僅かに明るさを感じる。

そんな中で、私は身動きが取れずに固まっていた。




「携帯忘れてたから、ここに置いておくね」




あ……私、YUKIの布団の中に、携帯を忘れて……それを届けるために、YUKIはここへ……。

そうわかったのに、私は動くことが出来ずに布団の中で丸まっていた。


……動くのが怖い。

YUKIと顔を合わせるのが、なんだか怖い。


だからただジッと、息を殺してその場に居た。









「……寝たフリ = 襲ってください のサイン?」

「全然違いますからっ!! ……あっ」




ガバッと体を起こした私の目の前に、クスッと笑うYUKI。


うわ。

うわー。


またやられたよ、私。


本当にもう、どんだけやられれば気が済むんだ……。







「よかった、咲良が反応してくれて」

「……何が、よかったんですか」

「反応がなかったら、襲おうかと思ってたから」

「……どうせまた冗談でしょ?」

「秘密」




微笑んだYUKIが私に携帯を手渡し、そのあとにそっと頭を撫でてきた。




「じゃあ、また明日。 おやすみ」

「……おやすみ」

「あ、そういえば咲良の寝顔写メっといたから」

「……はっ!? な、えっ……!?」


「嘘だよ。 じっくり観察はしたけど、写メは撮ってない」

「……もぉ、馬鹿っ!!」




近くにあった枕を思いっきりYUKIにぶつける。

そんな私にYUKIはまた笑い、楽しそうにしながら距離を取り、そのまま部屋を出ていった。






「……性悪男めっ」




その言葉が聞こえていたかどうかはわからないけれど、YUKIの『おやすみー』という声は明らかに笑っていた。


また、私の反応を見て楽しんでいたのだ。






「……くそぅ、明日起きたら殴ってやるー……」




そう心に決めて、その日は眠ることにした。


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