桜が舞い散る頃に・・・ (完結)
「・・・棗(なつめ)、高橋 棗。生きていたら、もうすぐ中3かな?」
「生きていたら?」
「うん。・・・死んだんだ。交通事故でさ・・・」
「!」
言わなければよかったと、後悔したが今更もう遅い
そのときの梓の顔は悔しそうに、苦しそうに歪んでいた
「私が悪いんだ。私があの時、一人で勝手に飛び出ししなかったらっ!」
ギュッ
「っ!」
抱きしめていた腕の力を強める。
だって、梓にはそんな顔は似合わないよ?そんな、悲しい顔なんてさ