桜が舞い散る頃に・・・ (完結)
「失いたくない?」
「えぇ。それだけ、貴方は大切にされてやるのよ?」
「・・・」
梓が、僕を?
「・・・っ」
梓を傷付けても、大切にしてくれている。
そのことが、分かると嬉しくて涙が溢れ流れる。
「一つ、昔話をしようかしら」
「昔話?」
「えぇ。梓がまだ、悠太君に会うまでの…悲しい、悲しいお話し…」
梓の過去を聞いたことはなかった。
いつか、話してくれるまで待っていよう思っていたけど、話してくれるなら聞こう…
梓の知られざる過去を…
僕が初めて知る、梓の姿を…