桜が舞い散る頃に・・・ (完結)
「でも、本当に良かった・・・」
「・・・真穂」
「あたしさ、怖かったんだ。今のあたしでいられるのは梓のお陰なのに・・・」
今日は一人で来て良かったと思ってる。だって、こんな姿を蘭に見せられないよ。
こんな、小刻みに震えて、ポロポロと涙を流すんだからさ。恥ずかしくて、顔から火が出そうだよ。
「梓が撃たれたって聞いて、頭が真っ白になった。何も考えられなかったっ」
梓の手を握りしめ下を向きながら話す。
「もし、梓が死んだらどうしようって。そしたら、またあたし一人になっちゃうの?って」