桜が舞い散る頃に・・・ (完結)
隠していても、お母さんはもう知っているから意味がないな。
『うん、そうだよ。今は居場所が分かっても、取り返す為の手段がないから探している途中なんだ』
『・・・そう』
『でも、どうしたの?お母さんが電話してくるなんて珍しいね』
お母さんは滅多な事にならないと電話はして来ない人だから、今電話してくるという事はよっぽどの事なのだろう。
『梓、いい?よく聞きなさい』
『うん』
『○○会社の方から連絡があって、人質である悠太君と交換で会社を渡せってきてね』
『っ‼』
お母さんの言葉に頭が真っ白になった。