バニラ
プシッ
っと音をさせてタブを引くと、

私と同じ銘柄のドリンクをグイッと一気にあおった。

炭酸なのに、
よっぽどのどが渇いてたんだ。

そういえばこの暑い中きっと走って迎えに来てくれて、
そのまま私を抱きあげ、
ここまで来たから、
疲れてるはずだ。

ぷはっ

大きく息すると

私の方に視線を向けて、笑った。

「なんか、情けない。
 なんか思ったより体力無くなってて。」

「?
 情けないなんてないです。
 今日暑いし
 倒れた私はもっと情けない。

 すみません、迷惑かけちゃって。」


「彼……

竹居さんのこと亜美ちゃんって呼んでましたね。」

「あ、はい高校の時の同級生でしたから、
 ……ってさっき言いましたよね。」

「名前で呼ぶほど仲がいいの?

 こんな遠くの店まで来たのは、彼に会うため?」

「え?」

いつも真っ直ぐな眉が真ん中によって困った顔になってる?

「すみません
  何やってるんでしょう私は。

 あなたが誰を好きでも、お付き合いしてても、
 どうこう言える立場じゃないのに。」

「和臣さん?」


「私は、あなたが……って

 ……いえ、なんでもありません。」

勘違いしてる?
私が仕事中に彼に会いに行ったって思って?

でも、それってまさか……








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