オオカミ女が恋をした!?
「別に、大したことじゃないよ」


「その『大したことじゃない』のが


 聞きたいんじゃない!!」


ぷぅっと頬を膨らませる。



「いや…その、」


「その、何?」



「その…言いたくない」



「はあァ!?」



大声だ。



「ちょ、声大きいよ!!!」


「言いたくない!?


 この期に及んで言いたくないだと!?」



頬をぐにょっと横にのばされる。



「ちょ、やめれ~~~」



あっさり離される。




「もう、大したことじゃないんでしょ~


 言ってくれたっていいじゃん」



腰に手を当てて猛抗議するかおるちゃん。



「いや、その」


「何々?


 ひそひそ声でいいから」


『あのね…』


『うん』


『メルアド交換してって…』



「うっそぉ!?」


私はかおるちゃんを睨んだ。



「言わないでよ」


「い、いい言わないけど…


 でもスゴいねー」



「どこが?」


「すべてが。

 
 美樹という存在すべてが」



「なんで存在までスゴいの?」


「いや、あんたがこの世に生まれてきたこと自体奇跡だよ」



「そこまでいく!?」


ヒドいな地味に!!
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