オオカミ女が恋をした!?
次の日。


授業も終わり、クタクタになりながら電車へ。



――――と、



「美樹ちゃ―――ん」



またお前かぁぁぁぁぁ!!


何で!?


何でこんなに遭遇率高いわけ!?



「…さ、榊くん」


「美静でいいよー。


 美樹ちゃんだけ特別ね★」


出た、ナンパ常習犯の手口。



「呼べるわけないでしょ」


「おー率直に言うようになって。


 進化したね!」



「せめて成長って言ってほしい」


「仏頂面だねぇ」


そのまま電車に乗る。



「あ、そう言えば


 今日メールするから」


「え、あ、あぁ…そう…」


ええええーー


何でメールするのーー

ていうか、メールできる内容あるのーー


「…今ここで話せばいいと思う」


「メールのほうがムードが出るっていうか?」


いや、もうこれクラスメート同士の会話じゃないじゃん。



彼氏彼女の会話になってんじゃん。



「たかがクラスメート同士なのに、ムードなんかないでしょ」


「それがあるんだなぁ」



いや、ねぇよ。


全くねぇよ。


「…ねぇよ」


「うわーーー!!


 美樹ちゃんが汚い言葉を…!!」


「そんな驚くことでもないでしょ」


「なるほどねぇ。


 心情をそのまま吐露したってわけか」


「まあ、ね」


「あ、そういえば僕


 美樹ちゃんのことオオカミちゃんって呼ぶんだった」



コラ!!


言うな!!


今目の前のオバサンが笑い堪えてるから!!!
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