オオカミ女が恋をした!?
「…誰もいないね」


「だって今日、遅いもん。

 
 もうほとんどの人が帰ってるよ」


そっか…


二人きりか…



――え?


何か今、『二人きり』とか考えた!?


なに考えてんだろう、私!!



「…そういえば美樹ちゃんてさ」


「…え?」


「好きな人いるの?」


「…!!」


いまそれで葛藤してるとこなのに!!


「い、いいいるような、いないような…?」


「え、じゃあ彼氏とかは?」


「もももちろんいない!!」


「そっかぁ」


う~んと何か悩んでいる王子さま。


どうしたんだろう。



「ねえ、美樹ちゃ――じゃなくてオオカミちゃん」


「はい?」








「僕と、付き合わない?」






頭が真っ白になった。
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