オオカミ女が恋をした!?
「ど、」


どどど


「どういうことそれ?


 冗談?…だよね?」



ムッと顔をしかめる。

「僕そんな無責任な人間じゃないよ。


 本気だよ、これ」



「いやだって榊くんみたいなイケメンが私にって…どう考えても冗談でしょ」


「冗談じゃない」


いつになく真剣な表情。



「…本当の本当に、本気なの?」


「うん」



え、こんなときどうすればいいの。



とりあえず…



「…考えときます」


「うん。よろしくね」


コレ立場逆じゃないかな…



ふぅ、と溜息をつく。


「まさか王子さまに告白されるなんて…」


「え?」


「え?」


目が合った瞬間、王子さまが笑い出す。



「王子さま!?

 僕のこと王子さまって!?」


「え、えぇ?何々!?」


「今どきの高校生が王子さまって言う!?

 しかも本人の目の前で!?」


「なあぁっ…」


/////


言っちゃったァァァァァァァ!!!



「まあでも、そういうとこが好きなんだけどね」


王子さまの呟きは、私には聞こえなかった。
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