オオカミ女が恋をした!?
「持ってないよ、そんなの」


「えぇ~??

 持ってないのぉ?」


ドアから顔を出す妹。


「そんなだからお姉ちゃんは

 モテないんじゃん」


「余計なお世話だ」



「今度、あたしの貸してあげるよ。

 
 それ見てお洒落のこと勉強すれば?」




ああ、可愛い妹。


モッテモテの妹。



顔にここまで差があったら、

ネガティブにもなりたくなるよ…




「…うん、ありがと」



「じゃ、今もって来るから。

 ちなみにもう読み込んだから、返さなくていいよ」



雑誌って読み込むもんなんだ…


そりゃジャニーズ雑誌とかなら読み込むものかもしれないけど。



お洒落の雑誌って…





「はいっ


 コレね」



「えええ!?

 ちょっと多すぎじゃない!?6冊!?」


「お姉ちゃんはもっと勉強しないとダメ。


 人生分の雑誌を今から読ませるんだから」


「あんた雑誌捨ててないの!?」


「まあね~

 部屋には50冊くらいあるかな」


「ごじゅっ…!?」


「それをこれからお姉ちゃんに全部読ませるんだから。


 覚悟しときなよ」



…可愛くも恐ろしい、生意気な妹よ。



私には遅すぎたんだと思うよ。



「…私、男性恐怖症なんだけど」


「お姉ちゃんのは恐怖症のレベルじゃないじゃん。


 話すとき緊張する程度でしょ」



「…まあ」


「慣れれば大丈夫でしょ!!」



いや、慣れるほど話す機会あんのかどうかだよね。



じゃーね、と言って妹は行ってしまった。



「あーあ…」


まず、一番上のから読むか…

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