オオカミ女が恋をした!?
あ、最寄り駅だ。


降りなきゃ。



「あ、降りるの?」



笑顔で王子さま。


少しホッとしたのか、三人の女子たちも。




「僕もここが最寄り駅だから、降りなきゃ」


う、ウソでしょ!?



せっかく逃げ切れたと思ったのに…(途中で捕まったけど)



「じゃ~ね、三人とも!!」



じゃ~ね、じゃない!!



全くもってじゃ~ねじゃない!!




ポカンとしてる女子を放って、王子さまは電車を降りた。





「良かったァ、美樹ちゃんいてくれて」



お、おいナンパ男!!


ふざけんな!!



「あーゆう女子って、面倒くさいから。


 逃げるのに苦労しそうだったんだけど。


 でも美樹ちゃんがいたから早く逃げられたよ」



…。


…。


「僕、実はここも寄り駅じゃないんだよね」


「…」


「美樹ちゃんはどこ行きに乗るの?」


「…永瀬中です」


「そうなんだ。


 じゃあ電車が来るまで、話しててもいい?」


この最寄り駅は大きくて、なんと三階建て。

だから乗り換えるのにはエレベーターを使わなくちゃいけない。



「...3階にいかなくちゃいけないので...」


「大丈夫、そういうのは」


こっちが大丈夫じゃないんだけどね!!


こっちがね!!
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