くろねことわたし
第一章
曇り空の下で
季節は夏。
最近の地球はどうもおかしい。
冬といえば寒すぎる。
夏といえば暑すぎる。
昔はもっと快適だったなあ、と
そう思うのは地球だか太陽だか、銀河系のなんらかの変化が関係しているのだろうか。
なんて、ちょっとわけのわからないことを考えながら、散歩にでていた。
周りは田んぼだらけ。田舎すぎるこの静かな町を好きと思いながらも、店舗の少なさにはあきれてしまう。
曇り空。雨が降りそうな予感。
「ニャー」
猫の声。
野良猫にしては毛の綺麗な黒猫がわたしのまわりをちょろちょろして触る暇もなく去ってしまった。
そろそろ帰ろう。
そう思って方向転換をするべく、後ろを向いた。
男の人が立っていた。