くろねことわたし
都はますます驚いた顔をした。
「ちょっと学校来なくなったと思ったら何それ、ストーカー被害にあってたの?なつみ」
「ストーカーじゃないでしょ!でも信じてくれるんだね」
「信じるもなにもなくない?ストーカーでしょ?きもちわるいよ、怖!」
私はストーカーだなんて思わなかった。
ただなんか不思議で、少し怖くて。
本当はストーカーなのかな。顔が整いすぎてたせいか、全然そんなこと思わなかった。
「で、でもね!なんかすごくかっこよかったの!見とれちゃうくらいに!」
都は一瞬目を輝かせた。
「そ、それでもストーカーはストーカーだよ。なつみ待ってるって、怖いじゃん。今日は家まで送ってあげる。それでそのストーカーとやらを拝見してやる」
イケメンに目が無い都。
これはもう止められないと思った。
目が本気だった。
キーンコーンカーンコーン。
登校完了のチャイムが鳴った。
気がつけば、教室はもう生徒でいっぱいだった。