くろねことわたし
学校につくと、正門をくぐり、
昇降口までダッシュ。
息を切らし、整えてから靴を履き替えた。
「あれ?なつみ?なつみじゃん!久しぶり!」
私に続いて登校し、昇降口で友達の都に声をかけられる。
「お、おはよう」
久しぶりすぎて戸惑ってしまう。
都は、同じクラスの唯一といっても過言ではない大切な友達だった。
人付き合いが苦手なわたしは、徐々に友達が減っていった。
いや、減ったというよりは、仲の良さが薄れた、という感じだった。
最近の女子高生って、お弁当、トイレに行く時、移動教室、いつも行動を共にしながら、帰宅後も毎日ケータイで連絡を取り合う。
そんな友達ごっこみたいなのがめんどくさい。
わたしはどちらかといえば群れるのを嫌い、一人の時間が好きだった。
みんなとワーキャー騒ぐのはとても楽しいけれど。
「最近学校来なかったから心配したじゃんー、電話折り返してよね」
そうだったんだ。
知らなかった。
そういえば、最近ケータイを開いていなかった。
言われて鞄からケータイを取り出すと、中身を確認した。