生きていかなきゃ
そう言った彼は、きっとあたしと同じように目を瞑っただろう。
この時間は何もしないでいられる、大切な時間だ。
あたしはそれを嬉しく感じるのだった。
「ドール?」
目を瞑り続けて何十分も経った。
するとあたしの側であたしの名前を呼ぶ声がした。
「あれ…?
ゲミとジョウ…
どうしてここに?」
二人の姿が目に写る。
そして隣のベンチを見てみると、寝ている久佐野の姿。
「たまたまここに寄っただけだよ。
ゲミたちはどうして?」