生きていかなきゃ

「おはよー‼」


満面の笑みで嫌みのこもった挨拶を先にされる。


「おはよ」


あたしは花瑤までは行かないけど、笑顔を見せて言った。


「ドールが来るの、楽しみに待ってたんだよ」


「ホント? 偶然ねー。
あたしも早く学校に行きたいと思ってたのー。」


火花が散り合うのがわかる。


当初面白がってみていた男子は、今になると少し引いてる。


やっとわかったか。

この状況に興奮してはいけないんだよ。



あたしは一旦寂に戻り、鞄を置いた。


それからまた花瑤の前に行く。


「ねぇ花瑤。

花瑤でしょ?
あたしの下駄箱に祝いの品を入れてくれた人」


心の中ではいつも彼女のことを呼び捨てにしてた。


だけど実際に話しかけるとなると、ちゃんとさん を付けていた。


でも必要性が感じられないあたしは、普通にそれを取り外す。


一瞬彼女の顔が歪んでいたが、すぐに戻った。


そしてあたしの声のトーンはなるべく高くするようにしている。



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