生きていかなきゃ

紙が潰れた音とはわかったが、焦る気はなかった。


スリッパに履き替えたあたしは、その紙を見ることにする。



白い紙に書かれた文字は。



おはよう


赤い字で書かれていた。


それ以外はなんともなかった。



またこれ花瑤の仕業だなと思い、彼女の靴箱に戻して上げた。



そして何事もなかったように、教室に入った。



今日は花瑤と話す気分じゃなかったから、彼女には目もくれず着席した。




あたしの気持ちを酌んだのか、彼女は何もしてこなかった。


久しぶりにクラスに平和が訪れた。




昼休みになる。


あたしは一人弁当を食べる。



「今日は元気ないね。

どうしたの?」


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