生きていかなきゃ
あたしが焦っていると、スモークはあたしに近づいた。
そしてゆっくりとあたしの身体を包んでいった。
「余計なこと考えるな。
辛かっただろ?」
あたしはスモークの温もりを肌全体で感じた。
やっぱりこうやってあたしのこと考えてくれてわかってくれる人って、スモークくらい。
あたしも腕を彼の体に絡めた。
「しばらく離さないで。
お願い...」
あたしは彼に自分の表情を見られないように、つい力を込めてしまう。
その気持ちを酌んだように、彼は何も言わず優しく抱き締めてくれていた。
『何で。
あの時は、何も頼んでなかった。
それなのに俺を助けた。
せっかく覚悟ができたっていうのに・・・。
どうしてそれを無視したんだよ!』
『父さんも母さんもいないドールに、今の僕の気持ちなんてわかんないよ!』