シークレットラブ~Boys~
しみじみ思いながら、すっとあーちゃんの方に視線を移す。




―――あぁ、まただ。


ずしりと、心が重くなる。




また、あんな顔してる。



今にも泣き出しそうな、切なそうな、苦しそうな顔。




あーちゃんの走る速度が遅くなり。


視線は、広大と由美に集中している。



けれど。

あーちゃんは、ぎゅっと唇を噛み締め。


何かを振り払うかのように、がむしゃらに走り始める。



なんでもないって、顔をして。










―――――これだから、嫌なんだ。



鈍感野郎って。

意地っ張り女って。




そう思うのに。


俺の足は、迷うことなく、あーちゃんの元へ。





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