シークレットラブ~Boys~
なんで?

そんなの決まってるじゃん。




「あーちゃんのそんな顔見たくないから。」



真っ直ぐに。

ただ、真っ直ぐにあーちゃんを見つめて言った。



あーちゃんは驚いたように目を見開いた後。


ぱっと、顔を隠すように俯いた。




「あたし、別に、いつも通り、です。」


「嘘だね。ほら、行くよ。」



あーちゃんの手首を掴み。


ぐいぐいと強引に、今は人の少ない、グラウンドの隅の水のみ場へ。






あーちゃんは、少し抵抗したけれど。


男の力には敵わないと諦めて、大人しくついてきた。




「あーちゃん、あのさ。無理、しないで。」



水のみ場で足を止め。


俺はぽつりと呟くように言葉を紡いだ。




「無理なんてしてません。

あたし、ちゃんと、自分の体力の限度、知ってます。」




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