シークレットラブ~Boys~
「そうじゃない。

走りのことじゃない。分かってるだろ?」



少し強い口調になってしまった。


だって、誤魔化されたりするのは、なんだかショックだった。




信用されてないっていうか。

頼りないって、言われているみたいで。


なんだかすごく嫌だった。






「・・・・・・・・・そう、ですね。

すみません、卑怯でした。

走りのことにすりかえようとしたのは、あたしが、弱いからです。

卑怯だからです。」



あーちゃんは静かに、淡々と言って。


ぐっと、眉をひそめ、唇を噛み締める。





・・・・・・だから・・・



「そんな顔、するなよ・・・。」




気が付いたら。


あーちゃんを、腕の中に閉じ込めていた。



見たくなかった。


あーちゃんのあんな顔、見たくなかった。




< 28 / 32 >

この作品をシェア

pagetop