シークレットラブ~Boys~
「先輩!水無月(ミナヅキ)先輩!!!」




くるっと、彼女が振り返る。


色素の薄い、茶色のふんわりした髪が、さらりと揺れた。






「あ、白井(シライ)君。」


ふわり、と、彼女が俺を見て微笑んだ。



ドキッと、胸が高鳴る。


乙女か!と、すかさず自分にツッコむ。





「1,2年合同の歌、よかったよ。あたし、感動しちゃったぁ~」


彼女は泣いたのか、目が少し赤くなっていた。





――先輩。


その涙は、何のために流したモノですか?




不意にそんな質問が胸を過ぎる。


この学校?

3年間の高校生活?

友達?

後輩?



それとも・・・・・・


ずっと見ていた、あの先生のためですか?




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