シークレットラブ~Boys~
・・・・・・やめよう。


俺は心の中で首を振る。




今は、そんなどうしようもないことを思うために、先輩を探したわけじゃない。








俺は――



伝えるために探したんだ。


往生際がわりぃから、伝えたいんだ。









「――先輩。」


「ん?」


「覚えてますか?入学式のこと。」


「あぁ、覚えてるよ。あの時は大変だったねぇ。」


彼女は、優しく笑って言う。




あぁ、そうなんだよ。


俺はこの笑顔に惚れたんだよ。

一目ぼれ、しちまったんだよ。



―――入学式の日。


少し遅れめに校門を通れば、ガラの悪い男の先輩3人に囲まれた。




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