危険なアイツと同居生活
「カット!!」
その声が響き渡り、辺りがざわざわする。
「ありがとう、唯ちゃん」
蒼は小さくそう言って、あたしはプツンと糸が切れたようにその場に座り込んでいた。
濡れた身体が今になって寒くなる。
ぱさっと毛布をかけられたあたしは、身を震わせながらその場にうずくまっていた。
……無理。
なんかもう、精神的にもたない。
蒼が愛しくて、蒼に近付きたくて。
でも、蒼は遠い存在だとはっきり分かる。
だけど……
演技でもいいから、またあたしを求めて欲しい。