危険なアイツと同居生活
「たっだいまぁ!!」
蒼が帰ってきたのは、日付けが変わった頃だった。
スタジオでシャワーを浴びてきたのか、蒼からは清潔な石鹸の香りがする。
そして、その髪は少し逆立っていた。
昼過ぎから今までMVの撮影だなんて、すごい。
やっぱり蒼の世界は体力勝負だと感じた。
それでも、蒼は疲れ一つ見せずにこにこ笑っている。
こんな蒼を見ると、再び胸がざわざわし始める。
「唯ちゃん、今日はありがとうね」
蒼はそう言ってあたしに近寄る。
そして、何事もなかったかのようにあたしの頭をぽんぽんと撫でた。
家に帰ってから、蒼のことを考えて、気持ちが悶々としていた。
蒼の身体を思い出して、一人で悶えていた。
そして、こうやって改めて蒼を見ると、その思いが爆発しそう。
あたしは……
蒼を求めてしまう。