危険なアイツと同居生活
午前一時。
俺は灯りの消えた家に帰宅する。
「ただいまぁ……」
そう言ってもやっぱり返事はない。
あの、優しい笑顔の唯ちゃんはいない。
散らばった服。
洗っていない食器。
萎れている花。
唯ちゃんがいないと、全てが上手くいかない。
そして、影で唯ちゃんが支えてくれていたことに気付く。
真っ暗な唯ちゃんの部屋は、きちんと片付いていて。
机の引き出しには、大切そうにFのポスターが畳んで入れてあって。
それを見ていた俺は……
泣いていた。
唯ちゃん……
唯ちゃんの気持ち、気付かなくてごめんね。
俺が失いたくないものは、唯ちゃんだよ。