危険なアイツと同居生活







そして、数日後……







あたしは、小さなライブハウスにいた。

なぜか、Fのベーシスト、酙こと慎吾と。




今は別のバンドのステージが繰り広げられていて、あたしたちは後ろの方で突っ立って話をしている。

ライブは基本立ち見自由席。

出演するグループは複数。

こんなライブ、初めてだ。





はじめは芽衣と行こうと思っていた。

だけど、芽衣はたいして蒼に興味もないらしく、無理矢理連れていく気にはなれなかった。

そして、偶然家に来た慎吾を捕まえて、あたしはライブに繰り出したのだ。





慎吾も同じ大学生。

そして、性格も穏やか。

Fの中では蒼とよく似たポジションだ。

だが、Fのベーシスト酙はやっぱり怖くて取っ付きにくいイメージ。

Fのイメージ作りの徹底はすごいと舌を巻いてしまう。





「まじで?それ、蒼がするの?」




慎吾は興味津々。

あたしが頷くと即答、




「行く」




だった。




……というわけで、今に至っているのだ。




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