危険なアイツと同居生活
あたしの隣にいる慎吾は、ニット帽を目深に被って眼鏡をかけていて。
服装も、いつものダークスーツとは違って、古着っぽい重ね着。
蒼とはまた違うお洒落さんだ。
そして、そんな慎吾の存在に気付く人なんて誰一人いなかった。
「オーラないんだよ、俺たち」
慎吾は笑う。
「きっと、蒼も大丈夫だよ」
そんな慎吾の言葉を聞くと、そうかもしれないと思ってしまう。
だって、蒼も慎吾も話してみるとびっくりするくらい普通の人だから。