危険なアイツと同居生活





あたしの隣にいる慎吾は、ニット帽を目深に被って眼鏡をかけていて。

服装も、いつものダークスーツとは違って、古着っぽい重ね着。

蒼とはまた違うお洒落さんだ。

そして、そんな慎吾の存在に気付く人なんて誰一人いなかった。





「オーラないんだよ、俺たち」




慎吾は笑う。




「きっと、蒼も大丈夫だよ」




そんな慎吾の言葉を聞くと、そうかもしれないと思ってしまう。

だって、蒼も慎吾も話してみるとびっくりするくらい普通の人だから。



< 216 / 528 >

この作品をシェア

pagetop