危険なアイツと同居生活
「だけど……」
蒼の声が低く響く。
「それは以前の話です」
……え?
「俺は今、俺にとって最愛の女性がいます」
えぇ!?
あたしはぽかーんとテレビを眺めていた。
胸が痛くて嬉しくて。
あふれる涙を必死で我慢する。
「彼女は俺の全てを愛してくれる、大切な女性です」
蒼の言葉が胸にしみる。
傷を癒し、温かさで満たしてくれる。
あぁ、やっぱりあたしには蒼しかいない。
あたしは、蒼から離れない。
「彼女は一般人なので、そっとしておいてください」
蒼はそう言って、深々と頭を下げた。
その瞬間、再びシャッターが襲いかかった。