危険なアイツと同居生活
「碧さんは、彼女の前でもクールな男ですか?」
「いえ……俺、本当は……」
そう言って、一瞬蒼の顔色が変わる。
そして、一呼吸おいて、画面を睨んだ。
それは、いつもの強気な碧の顔に戻っていた。
「当たり前じゃないですか。俺は俺のまま、ですから」
慎吾が吹き出す。
そして、
「優弥に睨まれたな」
そう教えてくれた。
どうやら慎吾の言葉は本当のようで。
それから先のインタビューでは蒼の影はなくなっていた。
「では、彼女のどこに惚れました?」
「カラダです」
「どこで告白しました?」
「ベッドの中」
その言葉を聞くと、あきれ笑いがこみ上げる。
だけどやっぱり愛しくて嬉しくて。
あたしは涙を浮かべて笑っていた。
蒼が離れていくと痛感する。
あたしには蒼しかいないってこと。
例えファン全員を敵に回しても、あたしは蒼から離れない。