危険なアイツと同居生活
「ベース。
メロ部分は基本スラップ」
慎吾の顔が強張る。
「サビは……スリーフィンガーじゃねぇと無理かな」
「た……助けて……」
慎吾は泣きそうな顔をしている。
「この曲をスラップ?
……無理だしうるさすぎるよ」
「うるせぇのはてめぇだ」
鬼の優弥は慎吾を睨む。
それで慎吾は口をきゅっと結んだ。
「ドラム。
今回の曲は変速もある。
てめぇがリードしろ。
一ヶ所も間違えるんじゃねぇぞ」
「俺……仕事……」
賢一は泣きそうな顔をしていた。