危険なアイツと同居生活





蒼が練習していた旋律が耳に届く。

それに複雑なリードギターが絡み合う。

ベースはまるで打楽器のような激しい音を立て、ドラムは速いリズムを正確に打ち続ける。




やっぱり、すごい。

身体の奥から痺れて、おかしくなってしまいそう。

こんな贅沢な時間、他にないよ。






だけど……




ベースを弾きながら舌を出す慎吾。

賢一は顔を歪めている。

蒼は途中で噴き出す。

何だか曲もバラバラになっていって。




「て……てめぇら……」




演奏を停めた優弥さんが、般若の顔でメンバーを見回し、




「今日は日が変わるまで猛特訓だ!!」




恐ろしい雷を落とした。




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