危険なアイツと同居生活







「遅くなっちゃってごめんね、唯ちゃん」




暗い夜道を歩きながら、蒼はあたしに言う。




「ううん、こうやって一緒に歩けるのもいいな」




あたしはそう言って、蒼の手をぎゅっと握る。





蒼があたしの存在を公表したとはいえ、蒼は有名人。

蒼との時間は家でまったりが大半で、一緒に外出することなんてほとんどない。

だから、こうやって一緒に歩けるのが貴重で、すごく嬉しかった。

普通のカップルのように、手を握って笑いあって歩いているのが夢のようだった。



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