危険なアイツと同居生活
「キモイな、お前」
賢一……いや、玄が鼻で笑う。
「お前に言われたくねーよ」
碧は低い声で吐き捨てた。
あぁ、いつものほんわり蒼も大好きだけど、時には危ない碧もいい。
その危険な香りに集まる蝶のように、あたしは離れられなくなる。
「そうだ、艶。
例の話、考えてくれているか?」
鈴木さんと呼ばれたおじさんはそう言って、艶の方を見る。
すると、彼は少し苦い顔をした。
そして、
「こいつらがいるところでその話は厳禁です」
静かにそう言った。
そんな二人のやり取りを見て、何かが心に引っかかった。
悪いことじゃなければいいけど。