危険なアイツと同居生活





あたしの声は闇に吸い込まれ、再び静寂が訪れた。

気まずい静寂の中で、小さく慎吾と賢一の笑い声が聞こえた気がした。




慎吾と賢一、いい二人だったよ。

太ったおっさん、最高だったよ。




考えれば考えるほど、胸がきゅうっと締め付けられる。

息が出来ないほど苦しくなる。

楽しかった思い出が次々に頭を流れ……

一筋の涙が頬を伝った。






「お願いです」




優弥さん。

あたしから他の全てを取り上げてもいい。

でも……

でも、蒼だけは取り上げないで。





「あたしを……

これからも蒼の彼女にしてください」




< 407 / 528 >

この作品をシェア

pagetop