危険なアイツと同居生活
「うわっ!これ難いなぁ~」
分厚い教科書を開き、蒼が呟く。
「こんなの解けるはずないよ!」
彼はそう言って、指先でシャーペンを弄んでいた。
そして手を滑らせてシャーペンが指に刺さる。
「おわっ!」
静かな図書館に蒼の声が響いた。
周りがざわざわしてこっちを見る。
あたしは唇に手を当てて、
「蒼!しーっ」
蒼を制した。
あたしたちは今、図書館で期末テストの勉強中。
この怒涛のテスト週間が終われば、待ち焦がれた夏休みだ。