危険なアイツと同居生活








「うわっ!これ難いなぁ~」




分厚い教科書を開き、蒼が呟く。




「こんなの解けるはずないよ!」




彼はそう言って、指先でシャーペンを弄んでいた。

そして手を滑らせてシャーペンが指に刺さる。




「おわっ!」




静かな図書館に蒼の声が響いた。

周りがざわざわしてこっちを見る。

あたしは唇に手を当てて、




「蒼!しーっ」




蒼を制した。






あたしたちは今、図書館で期末テストの勉強中。

この怒涛のテスト週間が終われば、待ち焦がれた夏休みだ。





< 414 / 528 >

この作品をシェア

pagetop