危険なアイツと同居生活




「ねぇ、蒼君?

唯貸してくれない?

きっと、僕といたほうが刺激的で楽しいよ?」




隆太はそう言ってあたしの手を引く。

それに必死で抵抗した。

それでも蒼は止めることもせず、黙って傍観している。



何で……

何で蒼は助けてくれないの?

あんなにも隆太に敵対心を持っていたのに。

あたしが好きだと言ってくれたのに。






「唯!

彼は何も言わないから、いいんだって。

僕と一緒に遊ぼ?」




そう言って勝ち誇った顔で蒼を見て笑う隆太。

テレビでの紳士ぶりが嘘のように意地悪だ。

そしてようやく、蒼が立ち上がった。





< 421 / 528 >

この作品をシェア

pagetop