危険なアイツと同居生活
「ねぇ、蒼君?
唯貸してくれない?
きっと、僕といたほうが刺激的で楽しいよ?」
隆太はそう言ってあたしの手を引く。
それに必死で抵抗した。
それでも蒼は止めることもせず、黙って傍観している。
何で……
何で蒼は助けてくれないの?
あんなにも隆太に敵対心を持っていたのに。
あたしが好きだと言ってくれたのに。
「唯!
彼は何も言わないから、いいんだって。
僕と一緒に遊ぼ?」
そう言って勝ち誇った顔で蒼を見て笑う隆太。
テレビでの紳士ぶりが嘘のように意地悪だ。
そしてようやく、蒼が立ち上がった。