危険なアイツと同居生活






次はサッカー。

サッカーゴール前にある番号の振られた板を撃ち抜く、あの王道のゲームだ。

隆太は軽々と板にボールを当て、さりげなくリフティングをしたりする。

すると、周りの観客から歓声が上がった。





「蒼、大丈夫なの?」




小声で隣の蒼に聞くと、




「大丈夫じゃない」




予想された答えだ。

それでも隆太に敵対心を剥き出しにして、不貞腐れた顔をしている。




「大丈夫だよ。

あたしは隆太なんて好きじゃない」




そう言うと、




「そうじゃないんだよ」




蒼は少し辛そうな顔をする。




「俺さ、いつもヘラヘラしてるけど、俺にもプライドあるんだよ」




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