危険なアイツと同居生活





「ふっ、ださっ」




再び隆太が笑う。

あたしは隆太を睨み、蒼に向かってかけ出していた。





何だか嫌な予感がした。

蒼が顔を歪めて右手を押さえているから。





「蒼!大丈夫!?」




叫びながら駆け寄る。

すると、蒼は笑いながらあたしを見た。

……笑っていたけど、泣いているようだった。






「唯ちゃん……



右手が動かない」






あたしの心は引き裂かれた。




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