危険なアイツと同居生活
「テスト終わったぁ!!」
抜けるような青空の下、蒼がガッツポーズを作って飛び上がった。
右手には真っ白の包帯を巻いている。
「蒼、その手で文字かけるの?」
「気合いで頑張った!」
胸を張る蒼。
「でも、ほとんどテストは免除だよ?
だって俺、教授に賄賂を送ったし。
お酒とかタバコとか色々。
それで色々持て囃したら単位くれた」
あぁ……何だか蒼って得してるな。
テストを受けることなく試験に通るなんて。
きっと、教授も蒼の仕事を知っているはず。
ファンだったらサインの一つでもしたら、ころっと落ちるのかもしれない。
あたしはあんなに勉強したのに。
「人生って不公平だな」
つくづくそう思う。