危険なアイツと同居生活
「……俺、どうしたらいい?」
蒼が静かに聞く。
恐らく、蒼として接するべきか、碧として接するべきかということだろう。
蒼は明らかに困った顔をしていた。
そんな蒼に申し訳ないと思う。
「ごめんね、亜美」
あたしは震えながら涙を流す亜美に謝る。
裏切り者のあたしが出来る、精一杯の謝罪。
「亜美、Fが大好きだから、言えなかった」
だけどその言葉は、言い訳にしか聞こえない。
こんな上辺の言葉だけで、Fの大ファンの亜美が理解してくれるはずがない。
大切な友達の亜美。
あたしにFを教えてくれた亜美。
そんな亜美をあたしは傷つけてしまった。
あたしたちの間に沈黙が降りた。
ただ、亜美の嗚咽の音のみが響いていた。