危険なアイツと同居生活
そんな気まずさこの上ない空気の中……
「ごめんなさい。黙っていて」
そう言ってしゃがみ込み、亜美の顔を覗きこんだのは蒼だった。
蒼は何も悪くないのに。
むしろ、迷惑をかけてしまったあたしに怒ったりしてもいいのに。
……本当に優しい。
亜美の身体がびくっと震える。
「俺と関わると、Fのイメージが崩れてしまう。
だから、唯ちゃんは本当のことを言えなかったんだと思う」
「蒼、そんなことない!」
本当ならもっと早く言うべきだった。
何度も一緒にライブに行って、はしゃいで、涙を流して。
碧の話もした。
彼女がいるとか、クールでドSだとか。
このままバレなきゃいいと思っていたの?
……いや、そんな亜美だからこそ、伝えないといけなかった。