危険なアイツと同居生活
「唯ちゃん、大丈夫だよ」
蒼はあたしを見て、ふっと笑う。
いつもの優しい優しい笑顔だ。
その笑顔を見るだけで、心がじーんと熱くなる。
蒼が好きだと実感する。
「顔を上げて」
そう言って蒼は、涙で濡れた亜美の頬に触れる。
そして、ぐしゃぐしゃの亜美の顔がゆっくりと蒼に向けられる。
「はじめまして。
俺は戸崎蒼。
唯ちゃんと真剣にお付き合いしています」
蒼は涙を流す亜美に向かって静かに言う。
「唯ちゃんの友達なのに、自己紹介が遅くなってごめんね」
蒼の言葉が胸に沁みる。
きゅううと甘く鳴る。
すぐに蒼に飛びついて、ぎゅっと抱きしめたい。
大好きだと叫びたい。
あたしは……
やっぱり、蒼から離れられない。