危険なアイツと同居生活
「ごめん……」
思わず謝ると、
「さっきからなんで謝るの?」
笑顔の亜美。
「言っておくけど、あたしは艶のファンだからさぁ。
……遠藤優弥サンの」
「え……」
優弥さん、遠藤って言うんだ。
だから艶なんだ。
それすら知らなかったあたし。
蒼の本名も知っていたみたいだし。
亜美の情報網は恐ろしすぎる。
「唯、碧と同じ大学だから、実は知ってるんじゃないかなぁと思ったりしてたんだ」
亜美はそう言って楽しそうに笑った。
その笑顔を見るとホッとする。
「あたしこそ取り乱してごめんね。
まさか本物の碧に会えると思っていなくて」
あたしのことを何も責めない。
亜美に大切なことをずっと隠していたのに。