危険なアイツと同居生活
「でも、よく考えたらおかしいよね。
ツアーで超いい席取れたり、
ライブ終わった瞬間に消えたり、
碧がすっごい優しい顔で唯見てたり」
「え……」
あたしと蒼は固まって、顔を見合わせていた。
こんなあたしたちを見て、亜美は楽しそうに笑った。
「何だか悔しいな。
碧が想像以上にいい人で」
「えっ……だって亜美、あのクールな碧が好きなんじゃ……」
思わずそんなことを言うと、亜美は目を細めた。
「うん。
そんなFに憧れてたけど……
でも、目の前にいる蒼君は普通の男の子じゃん。
にこにこしてて、優しくて、気遣いが出来て、礼儀正しくて……
唯とすごくお似合い」
亜美の言葉が嬉しい。
「本当にこんな彼氏がいたらいいのに」